2015/11/23

バレコン総括

昨日の本番前の朝稽古。
つい昨日の事なのに不思議と昔のことの様です。
今日は昨日の「バレエ・コンサート」を観に来てくださった方にお礼かたがた作品を見ての率直な感想、ダメ出しを片っ端からお伺いしました。
色々な感想の中で想定外に多かったのが「なんだか分からないけど終わった時に泣いた」という感想。
別に「花のワルツ」の曲で悲しい作品を作ったわけではありません。
18人の生徒さん達が出たり入ったり、一斉に踊ったり、めくるめくフォーメーションを変えての約7分。
取り立ててストーリーがあるわけではありません。


定番の曲で、
あえて定番ではないことを盛り込んでみました。
彼女たちは笑顔で、でも汗だく。。。。
そしてお互いのバレエ経験などを超えたところで気持ちをひとつに踊ってくれました。
それが観ている人の心を掴んだんだと思います。
そんな彼女たちのほとんどがオトナからバレエを始めた素人です。
でも、昨日は観ている人の心つかむ“立派な素人”でした。
もちろん、バレエの技術的にはまだまだ発展途上で課題山積。。。。
でも踊りに対する愛情と真摯な気持ちは誰にも負けない強者たちです。



腰についた色とりどりのリボンを揺らしながら
後ろ向きパドブレ〜♪

今回の作品は私にとって冒険でした。
使う曲がチャイコの「花のワルツ」というバレエを見たことがない人でも知っている超有名曲。
バレエを知っている人だったら、お花がイメージのピンクチュチュを着たダンサー達がわらわらと踊るちょっと甘ったるい感じのワルツの踊り、と簡単に予想がつきます。
そんな定番のイメージを気持よく裏切りつつ、観ていて面白い作品に。




曲の最後はみんなして美しい背中を見せてから
正面向き笑顔のラストポーズでおしまい♪
前日のリハで私がハッとさせられたシーン。
お客さんもここでボロっと泣いたそうです。

バレエでご法度とされる「お客さんにお尻を向ける(=背中を向ける)」ということもあえて振りの中に入れました。
美しい後ろ姿を見せるシーンを踊りの端々に盛り込みたかったのです。
人の気持ち、もっと大袈裟にいうと人の生き様は背中に現れると私は思っています。
とか言うと、人に背中を見せるのが怖くなってしまいますが、あえてそれをやろう!というのが今回の作品の振付構成の根幹でした。
お客さんに舞台で背中を見せるというのは勇気のいることです。





稽古の帰りに新宿末広亭の前を通りました。
今日から自分の稽古を約2ヶ月ぶりに再開しました。

前回の発表会ではみんなで一斉に踊ったフィナーレでノリノリになったお客さんがバレエらしからぬ?手拍子で盛り上がってくださいました。
今回は涙してくださる人がいる一方、これまたバレエらしからぬ?「ヒュ〜♪」という掛け声?を頂いたりして、結果として相変わらず賑やかでした。
反応は実に様々ですが、観に来てくださった皆さんは総じて飽きずに7分をご覧になってくださった様子でホッ。。。。




家の近所のホテルがキラキラ過ぎて......
目の前を通る度にクラクラします。
生まれて初めて舞台に立つ人を含めた18人が、10回という限られたリハーサルの中でよくここまで仕上げてくれたと思います。
途中、私がオペ入院してトンボ返りする、なんていうこともありましたが、すべてが当初の予定通り進んで本番を無事に終了。

で、総括は何かというと
「たいがいの事はやればできる!」
ただし今回はそれが「みんなと一緒だったから」という事が、生徒たちにも、そして私にもたくさんありました。

「ここのイメージはバランシン作品なんですよ」とかいうバチが当たりそうな事を言いながら作っていった今回の作品、いつか再演しようと思います。^_^