2013/12/07

未完のポアント

今日は早めに稽古場に行ったので、更衣室の奥にドカッと座り込んで、新しいポアント作りの作業を黙々としました。
ポアントはどのメーカーの物を買おうと、5000円以上はする靴です。
なのに、ポアントは買っただけでは“未完成品”が当たり前。
叩いたり、揉んだり、折り曲げたり、剥がしたり、切ってかがったり、リボンやゴムを縫いつけたり。。。。。あれこれやってようやく履ける状態になります。
“未完”で売るのが当たり前で、それを“完成品”にするのは履く人間の仕事。
そんな、特殊な靴です。

靴として“完成品”にしたら、即履けるかというと、そんなことはなく。
“完成品”をさらに履きやすくするためには、それを実際に履いて稽古をして足に馴染むようにしないといけません。
労力と時間が必要です。
(この無駄?を無くそうという発想から生まれたのがゲイナーのポアントです)

ここで小休止。今宵はこんなポアント映像。


(続き)
最終的には自分の足で作るのがポアントという靴。
私はそう思っています。

ずっと同じメーカーの同じタイプのポアントを履いていても、自分の足や踊りのスキルに変化があると、ポアントの履き心地、立った時のシルエットも変わってきます。
生身の身体をもって完成品となる靴は、身体同様、あくまでも型にはまらない柔軟性をもっていないとダメなんでしょうね。
だから、“旬の時期”が過ぎてしまうとあっという間に“死亡”します。

未完の靴で5000円以上。
それでもって“完成品”にするのにえらく手間がかかって、その寿命は驚くほど短い。。。。
こんな靴って、どーなのよ???
っていうことは、バレエをやっていてポアントを履いている限り、言った所で仕方がないこと。

今日は黙々とポアントを“完成品”にする作業をしました。
意外と、無心になれるいい時間だったりします。