2013/06/17

未完成の靴


明日は新しいポアントを買いにいかないといけません。

バレエシューズもそうですが、ポアントもけっこうお金のかかる消耗品です。
もうちょっと延命できるかな、と思って潰れる寸前のポアントにニスを流しこんでみたりしますが、梅雨の時期は乾きも遅く、イマイチです。
が、私は潰れる寸前のポアントにもう一度、ニスを流しこんで履くのが好きです。
履き心地がなんとも言えず好きなんです。
うまく言葉で表現できませんが、自分の足にすっかり馴染んでいて、足裏に吸い付くような感じがたまりません。
でも、それが一番踊りやすいかというとそうではなく、結局、同じメーカーの同じタイプのポアントを、何足も“現役ポアント”としてキープしておくことになります。

ポアントという靴は、たいていのメーカーが1足5000円以上、FREEDだと1万円近くするのに、買ったままでは“未完成の靴”で、リボンやゴムをつけて、少しでも履きやすいように壊したり柔らかくしたりして、さらにそれを稽古で履いてならしてようやく使える靴になります。
他の靴だとしたら、買ってすぐ使い物にならないなんて、不良品です。返品されて当然。
なのに、ポアントは当たり前に“未完成の靴”。
靴が未完成の分、それを履く側のスキルに“完成度”が求められる靴です。

大人からバレエを始めたとしても、せっかくバレエを始めたんだから、是非、ほかの踊りには存在しないポアントを履く所まで粘ってみて欲しいと思っています。
最低でも数年はかかると思いますが。

ポアントはとんでもない“未完成の靴”ですが、自分のカラダでリアルにバレエを味わうことができる靴です。
もちろん、こんな靴ですから、バレエは好きだけどポアントは履きたくない、という人がいても不思議ではありません。
なので、無理強いはしません。
無理に履いた所で、上手く踊れるようになるような甘い靴ではありませんから。

はぁ〜、明日は未完成の靴を買いに行かなきゃ。

今宵はRoyal Balletのポアントに関する映像を見てから寝ます。
Mara Galeazziさんはクロスゴム派なんですね。
私もゴムはバッテンにしてつけるのが好きです。