2013/01/24

プチのプライド

舞台の度に頂くお花。
本番の余韻とともに約1週間部屋を飾ってくれます。
(時々、猫が食べてゲェ〜とやります)
今日は今回の発表会で生まれて初めて、お客様の前で踊った『プチバレリーナ』クラスの子供達の話。

舞台をご覧になった方はみなさん口を揃えて「チビちゃん達、可愛かったね〜」と言ってくださいます。
4、5才の小さな女の子が白い猫ちゃん役のチュチュや赤ずきん役の赤いチュチュを着ているんですから、そりゃもう立っているだけで人の心をギュギュッと掴む可愛さです。

お化粧をしてお衣装を着て、準備万端、舞台袖に向かおうと、彼女達が楽屋を一歩出た途端に「あら、かわいい!」と他の出演者の方々のから声を掛けて頂き、廊下はにわかに賑やかに。


そんな時、当の彼女達はというと、これがどーして喜ぶどころか、ツンと澄ましたちょっと無愛想な顔をしていそいそと舞台袖へと歩いて行きます。
本番前ですからね、さすがに彼女達もキンチョーしているんですね。
それもしても、いそいそと無愛想。
でも、私はそんな彼女達を咎める気はまったくありません。
自分の子供の頃を思い出せば、大人に「かわいい、かわいい」と言われて、何だかバツが悪くて、結果、ムッとしちゃった憶えが多々あるからです。
七五三の時がまさにそういう状況でとても居心地が悪く、嫌でした。

「ただかわいいだけじゃないもん!」という小さなプライドが彼女達を無愛想にさせていたのかも知れません。
現に舞台の上がった彼女達はただ着飾っただけのかわいい女の子、というだけではありませんでした。
お客様の前で踊る、小さいけれどもあっぱれなバレリーナでした。

一方、かわいいとは言われませんでしたが、「あなた、すごい良かったわよ」と見ず知らずのおばさまから声をかけられ、素直に喜んだのは私です。
「男の人かと思ったら、ビックリしたわよ、女の人で」
アハハ、凛々しいオオカミに見えたのかな。
まったく知らない方からの一言って嬉しいものです。

小さなバレリーナ達はまた明日から普通のお稽古に励みます。
初舞台を終えた彼女達にどんな変化があるのか楽しみです。