2011/11/06

命日♬

今日は私が幼い頃から恐らく一番親しみ、一番たくさん聴いてきたであろう偉大なる音の魔術師の命日です。

彼がいなかったら私はバレエをやっていなかったと言っても過言ではありません。
ルイ14世の時代に大きく花開いたバレエが今日まで人に愛される芸術ではなかったかも知れません。

これまで多くのバレエの先生に「踊るための音はこうやって使うものだ」とそれはそれは厳しく、そして丁寧に教えて頂きました。



が、それ以前にまだ物心もつかない私に、美しい旋律を聴かせてくれて、音と一緒にカラダを動かすことがどんなに気持ちよくステキなことかを教えてくれたのはチャイコフスキーでした。

『くるみ割り人形』はクララがクリスマスの晩にきらびやかなお菓子の国の夢を見る話ですが、私は終曲を耳にするとなぜかとても切なく淋しい気持ちになります。
「楽しいはずのクリスマスのお話なのに終わるとどうして悲しくなっちゃうの?」
と子供の頃、バレエの先生に聞いたことがあります。

「チャイコフスキーは躁鬱が激しい人だったからかしらね?」というのが先生の答えでした。
ソウウツってなに?
当時の私にはさっぱり分かりませんでした。
今でもよく分からないことがたくさんあります。
でも、チャイコフスキーがこの世に残した音楽が尊い宝物であることは子供の私にも分かっていました。

チャイコに限らず、音楽は大切にしないと罰が当たります。